(ブルームバーグ): 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは人から人への感染で拡大し、医療従事者の罹患(りかん)も確認された。感染がさらに広がるリスクが懸念されている。

  中国国内の発症数は先週末に急増し、世界各地の保健当局が検査を強化した。中国では今週後半から春節(旧正月)休暇に入り市民の大移動が見込まれるため、感染拡大が加速する恐れもある。

  武漢市衛生健康委員会は21日、新型コロナウイルス感染で89歳の男性が死亡し、死者が4人になったと発表した。高血圧や糖尿病、心疾患を患っていた男性は深刻な呼吸困難で18日に入院、翌19日に死亡した。同市ではこれまでに約200人の発症が確認されている。

  中国中央テレビ局(CCTV)が国家衛生健康委員会の研究員、鐘南山氏の発言を引用して報じたところによると、人から人への感染が確認された。新華社通信によれば、医療従事者15人が発症し、1人が重篤という。

  17年前に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)では約800人が犠牲となり、医療従事者の感染リスクも高かった。

  世界保健機関(WHO)は電子メールで配布した発表文で、22日の緊急委員会会合を招集したと明らかにした。メンバーらは新型コロナウイルスの「流行が国際的な懸念を喚起するに値する公衆衛生の緊急事態に相当するかどうか、この鎮静化に向けてどのような勧告が必要か」を議論する見通しだ。

  24日から始まる春節連休を控えて、世界各地で入国者の検査を強化。米国ではニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどで17日から検査を導入した。

  人口1100万人の武漢市では医療関係者が市内各地に散り、航空機内や鉄道駅などで感染の症状を示す人がいないか検査を続けている。英インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン氏らは17日発表した研究で、武漢での感染者が1700人を超えている可能性があると分析した。

  国家衛生健康委員会が19日発表したところによると、このウイルスの感染源と感染ルートはいまだ明らかになっていない。

  

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