(ブルームバーグ): ジェイミー・ダイモン氏はJPモルガン・チェースを米銀史上最高益に導き、ブライアン・モイニハン氏はバンク・オブ・アメリカ(BofA)で長年にわたって利益を上げてきた。両氏に加えモルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン氏、シティグループのマイケル・コルバット氏の4人の最高経営責任者(CEO)在任期間はそれぞれ14年、10年、10年、7年だ。

  米報酬調査会社エクイラーによると、米大企業CEOの平均在任期間は4.8年で、4人はかなりの長期政権となる。

  2008年の金融危機後の安定回復には不動のリーダーシップが必要だったが、こうしたCEOらが権力を強く握り過ぎて、次世代幹部の登場を妨げているのではないかとの声もある。

  DHRインターナショナルで金融業界の幹部の人材あっせんを手掛けるジーン・ブランソーバー氏は「真空状態が生じている」と言う。

  各行はトップの突然の死や病気に対する緊急時対応計画は用意したが、長期的な後継者の準備は、恐らく少なくとも2−4年は整わないだろうと同氏は指摘した。

  確かに、大手行のトップを選ぶとなると、全ての条件を満たす候補者を見つけるのは容易ではない。

  モイニハン氏(60)はCEOに必要な資質として、「ひどく不安な時でも、常に落ち着いていなければならない。何かがうまくいかない時も、ひるむことなく問題を修正し、対処することが必要だ」と話す。

  後継者候補には、豊富な経験、利益を上げてきた実績、リーダーシップというものを良く理解し広く信頼を得るなど、さまざまなことが求められる。企業の競争社会を生き抜く政治的手腕も必要だ。

  実績のあるCEOが長くとどまるのは無理もないことかもしれない。従って、後継者候補は上記に加え、忍耐という類いまれな資質が求められることになる。

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