(ブルームバーグ): 米携帯電話事業者TモバイルUSは、業界の勢力図を塗り替えることになるスプリント買収について連邦地裁の承認を獲得し、手続き完了に一歩近づいた。

  両社は11日、合併手続きを4月1日にも完了する予定だと明らかにした。ニューヨークの連邦地裁のビクター・マレロ判事は、業界3位と4位の合併が消費者に悪影響を及ぼすとして差し止めを求めていた複数州の訴えを退けた。

  TモバイルUSのジョン・レジャー最高経営責任者(CEO) は発表資料で、「今日はこの合併にとって大きな勝利だ。この合併を成し遂げるための最後のステップにようやく集中できるようになった!」とコメントした。

  両社が2年近く前に発表した合併案をトランプ政権は昨年承認。両社の合併を巡っては、2014年のオバマ政権下で、市場再編に伴う料金上昇を懸念する規制当局が反対し、計画が頓挫した経緯がある。

  今回の合併は、業界リーダーのAT&Tやベライゾン・コミュニケーションズに対抗する影響力をTモバイルにもたらす。 合併新会社Tモバイルは、月決め契約の携帯電話サービス加入者数でAT&Tを抜くことになる。

  TモバイルUSの親会社ドイツテレコムにとっては、競争激化で苦戦する欧州への依存度低下につながる。同社にとってTモバイルの重要性は近年着実に高まっており、グループ全体の売上高に占める割合は14年の約3分の1から現在では約半分に拡大している。

   スプリントを現時点で傘下に置くソフトバンクグループと孫正義社長にも今回の買収承認は大きな安堵(あんど)をもたらす。合併が阻止されればスプリント救済を余儀なくされる可能性があった孫社長は、今後は1000億ドル規模の「ビジョン・ファンド」に集中できる。

  11日の米株市場の取引で、スプリント株は前日比77.5%高の8.52ドルで終了。TモバイルUSは11.8%高の94.49ドル。

  TモバイルUSとスプリントは合併合意を更新していないが、価格を含めて新たな条件があり得るとTモバイルは示唆している。

  合併の実現には、カリフォルニア州の公益委員会とワシントンの連邦判事の承認も必要。複数州が起こした訴訟を主導するニューヨーク州のジェームス司法長官は上訴を検討中だと声明で明らかにした。

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