(ブルームバーグ): 中国中部における重症急性呼吸器症候群(SARS)に類似のウイルスの存在を示す遺伝子配列の初期データは、重要情報が公開された約2週間前に知られていたと、複数の科学者が明らかにした。

  医学誌ランセットに11日に発表された解説記事で、世界保健機関(WHO)の緊急委員会メンバーを含む科学者は、新型コロナウイルスの遺伝子配列について医師らが集めた情報に十分な注意が払われなかったと指摘した。

  SARS関連コロナウイルスの存在を示す遺伝子配列データは患者の肺から採取された検体で見つかったもので、いわゆる次世代シーケンシング技術によって昨年12月26日に取得されていたという。リン・ファ・ワン、ダニエル・E・アンダーソン、ジョン・S・マッケンジー、マイケル・H・マーソン4氏がランセットに論文を掲載した。

  中国当局は今年1月5日にSARSおよびその関連の中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こしたコロナウイルスと、幾つかのそれ以外のウイルスを否定し、9日に新型コロナウイルスが肺炎の原因の可能性があると確認したと著者らは指摘。

  ただ、遺伝子配列が公表されたのは1月12日で「初期データが取得されてから17日後だった」とし、科学者らは新たな病原体を特定するために医師が集めた情報と遺伝子配列データをより重視すれば新しいウイルスへの対応をより迅速にできるのではないかと問い掛けている。

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