(ブルームバーグ): 浜田宏一内閣官房参与は、新型コロナウイルスの感染拡大などで日本経済に深刻な影響が生じた場合、追加的な財政措置で対応すべきだとの考えを表明した。急激に円高が進行するケースでは、日本銀行による量的緩和の拡大がその阻止に有効との見解も示した。

  浜田参与は12日のインタビューで、新型コロナウイルスの日本経済への影響について、生産活動や観光に深刻な影響を及ぼす可能性があるとし、消費税率引き上げ後のぜい弱な日本経済にとって「追加的な悪影響」となると指摘。特に自然災害や感染症の拡大などで景気が大きく悪化する場合は、「財政が経済を支援するための主導的役割を果たすことが望ましい」と語った。

  こうした状況下での日銀の金融政策運営に関しては、利下げの余地と効果が限られている中で、為替相場が安定している限りは追加的な金融緩和策は必要ないとする一方、円高が進行する場合は量的緩和の拡大が有効との認識を示した。

  アベノミクス初期の大胆な緩和策で過度の円高是正に成功したことに言及、「やはり量を増やさなければ為替レートには影響しないというのが研究の成果だ」と説明。円相場が比較的安定している現状は、日銀が大規模な資金供給を継続する中で「為替レートは金融政策で決まるとのアプローチが生きている。量の重要性を忘れると黒田東彦総裁前の日銀と同じになってしまう」と語った。

  浜田氏は物価目標未達を理由に「黒田総裁の緩和策が失敗だったと言う人がいるが、インフレ目標は持続的な経済成長を実現するための手段だ」と指摘。「インフレ率上昇は一般の人にとってつらいことだ。物価が上がらずに、失業率が低下している現状は問題ではない」とし、2%目標の必要性には疑問を呈しながらも、掲げ続けても「害はない」と語った。

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