(ブルームバーグ): バー米司法長官は就任後で最大の危機を迎えている。トランプ米大統領の元顧問、ロジャー・ストーン被告に対する検察の求刑を、司法省が軽減したことに抗議し、検察官が相次いで担当を降りた。

  トランプ大統領がロシア疑惑捜査を切り抜けるのを助け、弾劾裁判でも証人や文書の提供を拒否したバー氏は、ホワイトハウスの言いなりになるために指名されたのではないことを証明する必要に迫られそうだ。

  トランプ大統領による感謝の言葉はバー長官を助けるどころか、むしろその試練を困難にしている。大統領は12日のツイートで、バー氏による裁判への介入を称賛。「完全に制御不能に陥った裁判の主導権を握った。そもそも訴追されるべきではなかった」と投稿した。

  トランプ氏の政治的利益を配慮した米司法省の行動が明るみに出たのは、今週これで2度目だ。バー長官は10日、トランプ大統領の顧問弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏がバイデン元副大統領とウクライナのつながりに関する「調査結果」を司法省に提供できるよう、特別な経路を設けたことを認めた。

  ストーン被告への訴追を一貫して公に非難してきたトランプ大統領は11日、司法省に話はしていないと記者団に述べ、介入を否定している。

  こうした説明に誰もが納得したわけではない。上院情報特別委員会の有力メンバーであるマーク・ウォーナー議員(民主、バージニア州)は、「大統領に自分の顧問だった被告の刑事訴訟に介入する権限はない」と述べた。トランプ氏を常に強力に擁護するリンゼー・グラム上院司法委員長(共和、サウスカロライナ州)も、「大統領が司法制度内の案件についてコメントするのは適切でないと思う」とし、判事がいかなる判断を下そうともそれを支持する考えを明らかにした。

  コロンビア特別区のエイミー・バーマン・ジャクソン連邦地裁判事は、今月20日にストーン被告に量刑を言い渡す。

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