(ブルームバーグ): 米トランプ政権は13日に公表した新たな報告書で外国政府による医薬品価格引き下げの取り組みを批判した。ただ、米国でも大統領と議会が国内の薬価抑制に向けた独自の措置を検討している。

  大統領経済諮問委員会(CEA)の報告書は、他国の薬価が米国に比べて低いことについて、公的制度を中心とする他国の組織的な医薬品購入の取り組みが要因だと分析。こうした慣行は米医薬品業界の研究成果に「ただ乗り」する行為だとした。

  報告書は製薬業界の主張を強く反映した内容となっており、世界全体の医薬品支出が抑制されていることで新薬開発に充当できる資金が損なわれていると指摘。他の先進国では医薬品への支出が米国よりはるかに少ないことを分析は示し、真の自由市場となれば他の全て国が支払いを増やすことになるとしている。

  もっとも米国はこれらの国と本質的に同じような政策を検討している。トランプ大統領は先週の一般教書演説で薬価引き下げに向け超党派の法案を呼び掛けた。今回の報告書の論理に従えば、そうした動きで研究や画期的な開発に必要な資金が減ることになる。米政権は米国の一部薬価を他国に連動させることも検討中だが、報告書ではそれらの国の多くを「ただ乗り」と批判している。

  雇用主を支援する目的で薬価データを収集するRXセービングス・ソリューションズの創業者マイケル・レア最高経営責任者(CEO)は「報告書は米国民のために価格を引き下げることではなく、製薬会社の収入拡大に関するものに見えることは確かだ」とした上で、「価格の引き下げと製薬会社の利益拡大のどちらが目的なのか。本当の動機が何なのかについて正直ではない」と語った。

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