(ブルームバーグ): 新型ウイルスの流行が与える世界経済への懸念が根強い中で、米国の景気対策に関心が高まった。23日の東京株式市場で主要な株価指数は朝方に下げる場面もあったが、午後は上がった。不動産投資信託の値動きを反映した東証REIT指数は大幅に反発した。

  米景気対策が早期の合意に至らなかったことが失望され、午前の日本株は弱含む場面があった。取引開始後は米上院のマコネル共和党院内総務が法案の動議採決を23日に再び行う方針を示すなど協議が継続する中で売り圧力が和らいだ。午後には需給期待も後押しして指数の上げが鮮明となった。日銀は19日、通常のETF(上場投資信託)を過去最大の2004億円買い入れていた。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は「米国は政策が出てこなければ新型ウイルスの影響で景気はかなり下押しされるだろう」と語る。日本株については「感染に加速感がない中で現金給付などの政策面が一定の下支え効果を果たしそう。日銀によるETF買いの需給インパクトが大きい中では、売り方はいったん利益を確定しやすい」と述べた。

  東京外国為替市場のドル・円相場は一時109円台後半と、前週末比1%超の下落となった。主要国の中央銀行による相次ぐウイルス対策を受けて、金融市場の動揺を背景とした基軸通貨ドルの確保を急ぐ動きが一服、ドル売り・円買いが優勢になっている。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円は先週末に年初来高値へ近づいたチャート面での売りやすさなどから海外勢中心の売りで下げていると述べた。米ファンダメンタルズ面でも、今の経済情勢を最も明確に反映している新規失業保険申請件数がどんどん悪化していくリスクがあり、景気不安がドルの重しになるという。

  国内債券相場は大幅上昇。長期国債先物6月物は前営業日比41銭高の151円12銭で取引を終えた。長期金利は一時4ベーシスポイント(bp)低い0.05%まで下げた。米国の長期金利が時間外取引で低下していることや、日本銀行が通常分に加えて、総額8000億円の臨時の国債買い入れオペを実施したことを受けて需給改善観測から買いが優勢だった。

  野村証券の中島武信シニア金利ストラテジストは、債券相場の上昇について、「国債を現金化する動きが先週末で一服した感じ。株式も国債も堅調で、ドル資金供給オペ拡充などの効果が出てきている」と指摘。「日銀国債買いオペは残存3−5年、5−10年、10−25年ともにしっかりした結果だった」として午後の相場に影響したとの見方を示した。

  東京証券取引所に上場する不動産投資信託を対象にした東証REIT指数は前営業日比14%上昇。7営業日ぶりに反発した。

〈きょうのポイント〉

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