(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスに感染しても無症状な人の割合が従来想定より多いとの懸念が広がる中、研究者らは無症状あるいは症状が遅れて出る人たちの割合に関する早急な調査を求めている。

  居住者に対する新型コロナ検査比率が世界で最も高いとするアイスランドでは、陽性反応が出た人の約半数は症状がないことが分かったという。同国の疫学者がバズフィード・ニュースに語った。

  また、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は中国政府の非公開情報を引用し、陽性となった人の約3人に1人は症状が後から現れたか、全くの無症状だったと伝えている。

  多くの国は症状が重くない限り新型コロナの検査を実施しないため、無症状の割合が高ければ、感染拡大を阻止する取り組みが複雑になり得る。世界保健機関(WHO)と中国が先月まとめた共同報告書は、こうした感染は「比較的まれ」だとし、感染拡大の主な要因ではなさそうだと指摘していた。

  米食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリーブ前長官は今月のツイッター投稿で「無症状や症状が軽い人々による新型コロナ拡散が従来想定より多くの感染をもたらしている可能性が一段と明確になりつつある。ウイルス制御がさらに困難になっている」と述べていた。

  コロンビア大学の研究チームは科学誌サイエンスに先週掲載された論文で、中国で移動制限などが導入された1月23日より前は感染者の約86%が「記録されていなかった」と指摘。「記録のない感染者はその多くが重い症状ではなかった公算が大きく、その割合の高さが中国全土での急速なウイルス拡散につながったと考えられる」とした上で、「このウイルスの封じ込めが非常に難しいことがうかがわれる」と分析した。

©2020 Bloomberg L.P.