(ブルームバーグ): 苦境にあえぐ欧州の投資銀行は1−3月(第1四半期)に好調な局面もあったが、数週間しか続かなかった。

  アンドルー・クーム氏らシティグループのアナリストが執筆した顧客向けリポートによると、新型コロナウイルスの感染拡大を背景としたボラティリティーの高まりと市場の混乱で、投資銀行の第1四半期のトレーディングは金利や株式、為替を中心に記録的な高水準に上った。それでも新型コロナの影響による損失で、ドイツ銀行やクレディ・スイス、バークレイズ、UBSグループなどは通年で減収となる公算が大きいという。

  新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で、金融市場のボラティリティーは歴史的な水準にある。銀行のトレーダーが大幅な利益を上げるために必要な資産価格の振れが生じているが、感染拡大は同時に世界的なリセッション(景気後退)のリスクを高めている。そうなれば企業活動が冷え込み不良債権が急増する恐れがあり、投資家は銀行株を売り浴びせている。

  「欧州の主要4銀行は今年、好調なスタートを切ったが、このような理由で4行とも通年の投資銀行収入は前年を下回ると見込んでいる」とシティのアナリストは指摘した。

  スイスのクレディ・スイスとUBSが主要事業としているウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)も、金利低下と運用資産の減少で、4−6月は1−3月に比べ「大幅な落ち込み」に見舞われる可能性があると予測した。

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