(ブルームバーグ): 最大4兆5000億円の資産売却や資金化を行うとの発表を受け、ソフトバンクグループ株が前日に引き続き急騰した。市場は新型コロナウイルス感染拡大による株安を受けた孫正義社長の回答をひとまず好感した格好だ。

  株価は24日の取引で一時、前日比21%高の3856円まで買われ、1994年7月の上場以来、最大の日中上昇率となった。終値は19%高の3791円。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、資産売却の一環として中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディング株約140億ドル(約1兆5500億円)相当の売却が計画されている。ジェフリーズ証券は投資判断を「ホールド(中立)」から「買い」に引き上げた。

  23日もストップ高まで買われていた。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングの格付け見通し引き下げなどを受け、19日終値は上場後、最大の下落率となっていた。

  発表によれば、調達資金は最大2兆円の自己株式取得に加え、負債償還や社債買い入れに充てる。自己株取得は13日発表のものと合わせ計2兆5000億円となり、発行済株式総数の45%の株式を取得し、消却する。

  ユナイテッド・ファースト・パートナーズでアジア調査責任者を務めるジャスティン・タン氏は「孫社長は長年、投資家が求めていたことをようやく行った」と話した。

  世界同時株安による投資先企業の株価下落に加え、新規株式公開(IPO)による利益回収の先行きも不透明になり、ソフトバンクGの株価は下落していた。自社株買いは、物言う株主(アクティビスト)のポール・シンガー氏率いるエリオット・マネジメントも実施を求めていた。

  過半数を超えないマイノリティ出資を繰り返す「群戦略」を掲げ、ビジョン・ファンドを使って投資を続けてきたソフトバンクGが保有する資産はアリババや英半導体設計会社アーム・ホールディングス、国内通信子会社ソフトバンクなど多岐にわたる。

  M&A助言会社カチタスの平井宏治社長は資産売却候補について、「アームが一番可能性が高い」と分析。「アームはソフトバンクの金の卵。入札が始まればインテルなどの米国企業が興味を示し、米中の覇権争いもあって高い値段がつくだろう」と述べた。またソフトバンク本業とのシナジーも薄いため売りやすいだろう」と話した。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、投資会社である以上、資産を相場が「安いときに買って高いところで売るのが本来の姿」と指摘。今回の措置は株価の短期的上昇という効果にとどまり、新型コロナウイルスの終息時期が「ソフトバンクの経営にとって重要」との見方を示した。

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