(ブルームバーグ): 米国で五輪の放映権を持つNBCユニバーサルほど、五輪に関わるために多額の資金を支払っている企業はない。2020年東京五輪が延期された今、米コムキャスト傘下のNBCは、この前例のない日程変更が同社の五輪との関係にどう影響していくのか理解する必要がある。

  まず悪いニュースは、新型コロナウイルスを巡る懸念のために他のスポーツにも暗雲が立ち込め、新しい番組も撮影されない状況の中で、NBCは大人気のイベントを失うということだ。

  とはいえ、五輪は延期されただけで、中止になったわけではない。メディアコンサルタントのリー・バーク氏は、不都合な点もあるが、最大1年延期されても同社の利益に大きな影響はないだろうと指摘。「20年五輪が21年に実施される限り、NBCは実質的には無傷だろう」と述べた。

  もう一つの朗報は、五輪を放映する放送局は大会が実際に実施されるまで支払いの大部分を行わないことだ。国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員は、IOCが当初受け取るのは費用の5−10%のみで、大部分の支払いは大会実施時まで発生しないと説明した。

  NBCは今月、東京五輪向け広告枠の販売が12億5000万ドル(約1400億円)を突破したことを明らかにしている。これは16年のリオ五輪の12億ドルを上回り、同社にとって過去最高。

  五輪延期の決定を受けNBCは、「世界中で誰もが新型コロナウイルス感染症(COVID19)を封じ込めるという前例のない義務に直面していることから、今回の決定を十分に理解している」と電子メールでコメントした。

(更新前の記事で2段落目を「新しい番組も撮影されない状況の中で」に訂正済みです)

(NBCのコメントを追加し更新します)

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