(ブルームバーグ): 2020年に入ってからの3カ月間で、日本や韓国、台湾のインバース上場投資信託(ETF)から資金引き揚げが膨らんでいることがわかった。新型コロナウイルスの感染拡大による株価急落は、一部のインバース上場投信に45%を超えるリターンをもたらしたが、お金の流れを調査すると大きな流出超になっている。

  ブルームバーグが集計したデータによると、指数が下落すると利益となるインバースETFの3市場の運用残高は73億ドルだが、年初から26日までの資金流出額は約29億ドルと大きい。昨年の総資金流入の約7割に相当する。

  インバースETFの資金の動きを各社別にみると、野村アセットマネジメントの運用商品からは、年初から26日までで約17億ドルの純流出があり、元大投信のファンドからは3億2500万ドル、サムスン・アセット・マネジメントの商品は2億7500万ドルの流出があった。シンプレクス・アセット・マネジメントや楽天投信投資顧問が運用するインバースETFは45%近い年初来リターンとなったが例外ではなかった。

  インバースETFからの大量の資金流出について、ブルームバーグ・インテリジェンスのジェームズ・セイファートアナリストは「投資家は収益の出ている商品から利益確定する傾向があり、リスクが高く変動の激しい商品やレバレッジの高い運用商品からの流出はよくあること」と指摘する。さらに同氏は「投資家が現在の相場状況を、潜在的な底、または少なくとも短期的には底だと捉えて売却している」と分析した。

  ベンチマークと反対方向に動くように設計されるインバースETFは、先物やトータルリターンスワップなどのデリバティブを駆使する。2月後半から世界的な広がりをみせる新型コロナウイルス感染は、これら3市場のベンチマークを約2割押し下げたが、逆にインバースETFのリターンを引き上げた。2倍のレバレッジ型の商品であれば収益は倍増する。

 

(見出しと本文の第1段落にあった「引き上げ」を「引き揚げ」に訂正します)

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