(ブルームバーグ): 安倍晋三首相は28日夕の記者会見で、現金給付を柱とした追加の経済対策策定と2020年度補正予算案の編成を指示したと明らかにした。補正予算は今後10日程度で取りまとめ、国会に提出する。

  安倍首相は規模は「リーマンショック時の経済対策を上回る」と強調した。財政、金融、税制を総動員したものとなるという。過去最大だったリーマン後の対策は国費約15兆円、事業規模約56兆円だった。

  「短期集中で大胆な需要喚起策を講じていきたい」とも話し、具体的には旅行や運輸、外食、イベントを挙げた。

  所得が減った個人や中小事業主など対象を絞った上で、新しい給付金制度を用意するほか、無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにする。雇用維持のため、雇用調整助成金の助成率について、正規非正規とも中小企業は90%、大企業は75%に引き上げる。

  感染の状況については現時点では「緊急事態宣言を想定していない」としたものの「瀬戸際の状況が続いている」と説明。「最悪の事態も想定しながら感染拡大防止に努める」とした上で、「長期戦を覚悟する必要がある」とも話した。

  学校再開は、来週専門家会議を開き意見を聞く。感染拡大状況や専門家会議の分析によっては見直す場合もある。  

  27日に成立した2020年度予算には、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済下振れへの対策費用は盛り込まれていなかった。世界中で感染者が増加する中、東京五輪・パラリンピックは延期され、首都圏の外出自粛などによる経済への悪影響も深刻化している。共同通信によれば、28日の都内の新たな感染者は速報値で63人となった。

(会見の詳細を追加しました)

©2020 Bloomberg L.P.