(ブルームバーグ): 村田製作所は30日、今期(2021年3月)の連結営業利益が前期比17%減の2100億円になる見通しだと発表した。電子部品市場は中長期的に第5世代(5G)移動通信システム向けなどの需要が見込める半面、短期的には新型コロナウイルスの影響による落ち込みが懸念されるという。 

  発表資料によると、新型コロナ感染拡大の影響で今期売上高は1700億円押し下げられると予想。製品別ではコンデンサーを横ばいとみる半面、圧電製品やモジュールの減少を見込む。想定為替レートは1ドル=107円(前期は108.75円)。業績計画は感染拡大が上期中に収束し、下期から電子部品需要が回復に向かうとの見方を前提とした。

  村田恒夫会長兼社長は電話で行った決算説明会で、「短期的な経営インパクトの最小化と中長期的な成長機会への備えの両面を意識する」と述べた。

  今期の設備投資額は、生産能力の増強や研究開発施設の建設を中心に全体で2000億円を計画している。来期について村田会長は、今期と「同じような水準になる」との見通しを示した。前期は2816億円。

株主資本配当率を採用

  同時に、株主還元方針も変更すると発表した。これまでの中期的な配当性向30%の目標に加え、今後は単年度業績の影響を受けにくい株主資本配当率(DOE)も採用し、4%以上を目指す。

  1−3月期(第4四半期)の売上高は3629億円、営業利益は524億円とそれぞれ市場予想の3434億円、310億円を上回った。20年3月通期の営業利益は前の期に比べ5.1%減の2532億円。基地局向け、カーエレクトロニクス向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)の売り上げは増加した半面、操業度低下や製品価格の値下がり、新型コロナによる海外生産拠点の稼働停止などが利益を押し下げた。

  村田製は、スマートフォンや自動車に搭載されるMLCCで世界首位。5Gや先進運転システム(ADAS)の普及を視野に、製品の小型化や高性能化に取り組んでいる。ブルームバーグのデータによると、製品の供給先は米アップルや韓国サムスン電子、台湾の鴻海精密工業など。

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(決算発表の詳細や社長のコメントを追記します)

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