(ブルームバーグ): 任天堂は7日、今期(2021年3月期)の連結営業利益が前期比15%減の3000億円となる見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を慎重に見積もった。自宅でゲームをする巣ごもり需要が高まり、1−3月期は市場予想を上回った。

  ゲーム機スイッチ本体の今期の販売目標を1900万台(前期実績は2103万台)、ソフトは1億4000万本(同1億6872万本)とした。本体の前期実績は同社計画(1950万台)を上回った。

  古川俊太郎社長は会見で、現在のスイッチの「勢いも反映した上でこの業績予想を組んだ」と述べ、過度に保守的に見ているつもりはないと説明した。

  前提為替レートは1ドル=105円(前期末108.83円)、1ユーロ=115円(同119.55円)。今期の配当は840円(前期1090円)を見込む。

  世界各地での都市封鎖の影響でスイッチ本体やソフトの需要は高まっているが、供給網の混乱により公式サイトなどではスイッチ本体の品切れが続く。同社は新型コロナの生産への影響が夏ごろに収束し、今期計画に沿った数量が生産できると想定している。年末商戦では、ソニーと米マイクロソフトが次世代機を投入予定だ。

  米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは今期のスイッチ販売計画について、本体は「現実的な数字」とした一方、ソフトの水準は「今後のラインアップが弱く、数が出ないのではないかと不安を与えてしまう可能性もある」と分析した。

  1−3月期の営業利益は894億円となり市場予想(549億円)を上回った。生産や出荷の遅延が一部地域で生じたものの、業績への影響は限定的だった。3月20日に発売された「あつまれどうぶつの森」は6週間で1341万本を販売し、歴代のスイッチソフトの中でも最速で売れている。

  エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは、どうぶつの森について「もうしばらく人々が家にいることを求められるのであれば、スイッチのソフトとして最もよく売れたタイトルになるのにそう時間はかからないかもしれない」と話した。

  古川社長によれば、19年12月からスイッチの販売を始めた中国市場は「業績に与える影響はさほど大きいものではない」水準にとどまる。スマートフォン向けゲームや人気キャラクターを活用した知的財産(IP)ビジネスなど収益多様化にも取り組んでおり、新たなアプリの開発も続ける。

(社長会見の内容を追加します)

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