(ブルームバーグ): 上昇銘柄を買うシステムトレードはもはや通用しなくなる、との懸念が高まっている。株式市場で輝く存在が少なくなっていることが背景にある。

  パフォーマンスに優れる銘柄を選別買いする手法、いわゆるモメンタム戦略は、現在ならテクノロジーやヘルスケア、生活必需品など大半を米国株で構成するバスケットの買いとなるだろう。MSCIワールド・モメンタム指数の構成銘柄はファクトシートによると、米マイクロソフトや消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、スイスの食品・飲料会社ネスレなどだ。

  だが新型コロナウイルスによる危機を乗り切れると見込まれる企業は減り続け、モメンタム投資に悪影響が出ると懸念するクオンツ・ストラテジストが増えている。ロングショート戦略をとる一部のファンドは最近上昇した銘柄の下落を見込むポジションを構築し始めていることを、投資家の持ち高動向は示している。

  野村証券のクオンツ・ストラテジスト、高田将成氏は27日付けのリポートで、「テクノロジー銘柄のうち、例えば米国の半導体関連株は上昇のモメンタムを続けてきたが、業績見通しとの連動を完全に失った」と指摘。「外から見る限り、ロングショートファンドはテクノロジー銘柄の一角でモメンタムのクラッシュがあるとみて、割安な景気循環株の『反撃』で利益を得られるポジションを組んでいる」と続けた。

  クオンツだけではない。ウォール街のテクニカルアナリストもS&P500種株価指数構成企業のうち上昇銘柄が減っていることを警戒し、アマゾン・ドット・コムのような年初来のパフォーマンスが最高の銘柄には買われ過ぎのサインが表れていると指摘する。

  メリアン・グローバル・インベスターズの株式調査責任者アマデオ・アレントーン氏は、株価上昇のモメンタムが投資家の間で最近流行している要因によるものか、その銘柄の将来の成長見通しによるものか見極めが重要だと指摘。「われわれの調査では、後者ならより確実に上昇する傾向があるが、前者は循環的なリスクとなることが多く、極めて高い下落リスクを抱える。典型的なモメンタム急低下が発生するのはこちらだ」と発言、現在の市場では前者が非常に大きいかもしれないとの認識を示した。

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