(ブルームバーグ): 29日の米株式市場で、米ボーイングの株価が急伸。航空史上最悪の危機を生き延びるための計画を示し、それを乗り切る手段を有していると投資家に請け合ったことが寄与した。

  ボーイングはこの日、従業員の約10%に当たる約1万6000人を削減すると発表。787ドリームライナーの生産を削減するなど、生産ペースを抑える方針も示した。運航停止となっている737MAXの生産再開については、サウスウエスト航空など主要顧客が成長計画を抑制していることから、ゆっくりとしたペース進める考えだ。

  デービッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)とグレッグ・スミス最高財務責任者(CFO)は、同社のバランスシートは堅固で、新型コロナウイルス感染拡大と世界的なリセッション(景気後退)を乗り切る資金へのアクセスもあると強調した。

  ボーイング株は5.9%高の139ドルで終了。一時12%高を付けた。年初来では57%安と、ダウ工業株30種平均の構成銘柄で最大の下げとなっている。

  S&Pグローバル・レーティングは新型コロナの影響を理由に、同社の格付けを投資適格級で最低の「BBB−」に引き下げた。格付け見通しは「安定的」。S&Pは「新型コロナによる航空機需要への影響で、向こう2年の同社の利益とキャッシュフローは当社の従来予想を下回る公算が大きく、空の旅の回復ペースは依然としてかなり不確実だ」と説明した。

  新型コロナウイルスの感染拡大で航空旅行が過去に例を見ないほど低迷し、かつて膨大な現金を生みだしていたボーイングが生き残りをかけた闘いを迫られている。競合する欧州エアバスも驚くべきペースで現金を燃焼しているが、ボーイングにはさらにMAXの運航停止に伴う財務面の厳しさと不確実性が加わる。

(株価を中心に書き換え、幹部の発言なども追加して更新します)

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