(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は30日に開く政策委員会で、1兆ユーロ(約116兆円)を既に上回る資産購入と資金供給プログラムが、新型コロナウイルス感染拡大下の歴史的な景気下降局面で、企業と家計の破綻回避に十分かどうか判断する。

  ユーロ圏経済を支える一連の政策対応を中銀として打ち出した後であり、各国政府が包括的な財政支援で合意できるかどうか見極める意味もあって、新たな措置の決定を今回は休止するとエコノミストの大部分が予想している。

  だが、ゴールドマン・サックス・グループを含め、ECBが金融刺激策の強化に直ちに動くと考える少数意見もある。

  世界的な金融危機をしのぐ深刻なリセッション(景気後退)入りがほとんどの国にとって不可避な情勢で、ラガルド総裁は必要なことは何でも行うという約束を繰り返す可能性が高い。3月には不用意な発言で債券相場の下落を招いた総裁の言葉に投資家は注意深く耳を傾けることになりそうだ。

  ECBはフランクフルト時間30日午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策決定に関する声明を発表し、その45分後からラガルド総裁が記者会見に臨む。

  ブルームバーグの調査によれば、ECBが臨時で導入した「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」について、9月の政策委で現在の7500億ユーロから5000億ユーロさらに増額する決定が行われるとエコノミストは予測。実際にそうなれば、ECBの全てのプログラムを合わせた今年の資産購入額は1兆5000億ユーロを上回ることになる。 

  対応を強化する選択肢は規模の拡大だけではない。ドラギ前ECB総裁の顧問を務めたシティグループの欧州担当チーフエコノミスト、アルノー・マレス氏は、ユーロ圏各国のECBへの出資比率に応じた資産購入ルールを放棄してはどうかと提案した。実現すれば、市場の変化にECBがより柔軟に反応できるようになる。

  ECBはジャンク債(投機的格付け債)の一部を担保として受け入れることを先に決めたが、ジャンク債が今後、資産購入による量的緩和(QE)の適格対象になるかどうかも問題だ。

  欧州の新型コロナ感染拡大の中心で、政府債務が今年、国内総生産(GDP)比160%を上回る恐れのあるイタリアについて、フィッチ・レーティングスは28日、長期外貨建て発行体デフォルト格付け (IDR)を投資適格級で最も低い「BBB−」に引き下げたと発表した。S&Pグローバル・レーティングは24日に同国の格付けに「BBB」に据え置いた。

What Bloomberg’s Economists Say...

“A rebound is likely in 3Q, reflecting ample fiscal support in some countries and a return to work for many workers in the more flexible segments of the labor force.”

-- Jamie Rush, David Powell and Maeva Cousin. Read the EURO-AREA PREVIEW

(ジャンク債を購入対象とする可能性などを追加して更新します)

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