(ブルームバーグ): 米アップルが4月30日に発表した1−3月(第2四半期)決算では売上高が1%増加したが、業績予想の提示を約10年ぶりに見送ったことから、年内の業績に懸念が強まった。株価は時間外取引で一時2.6%下落した。

  ティム・クック最高経営責任者(CEO)はインタビューで、3月後半から4月前半に業績が「非常に落ち込んだ」後、4月後半に「持ち直し」が見られたと指摘。3月末から4月前半に投入できた新製品などが要因との見方を示した。アップルは自社株買い計画を500億ドル(約5兆3600億円)増額した。

  1−3月期の売上高は583億ドルと、前年同期の580億ドルから微増。ブルームバーグの集計したアナリスト予想平均を上回った。「iPhone(アイフォーン)」の売上高は289億6000万ドルと、7%減少したが、市場予想を上回った。サービス収入は17%増の133億5000万ドル。ウエアラブル端末と付属品事業の売上高は23%増の62億8000万ドル。

  同社は4−6月(第3四半期)業績予想を提示しなかった理由として新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)で長引く複雑な問題を挙げた。

  ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は電話会見で、今四半期も課題が続くことを示唆。「アイフォーンとウエアラブル端末については、4−6月期売上高の前年比パフォーマンスは1−3月期に比べて悪化する見通しだ。iPad(アイパッド)とMac(マック)では売上高の前年比パフォーマンスの改善を見込む」と述べた。 

  アップルは新型コロナ感染拡大で独特な影響を受けている。1月後半にはアジアのサプライヤーや製造業者の多くが感染拡大抑制策の一環で事業停止に追い込まれたため、製品出荷の遅れや供給上の制約が発生。それとほぼ同じ時期に、主要な収益源である中国の小売店42カ所全てを休業した。その後、他地域でも同様の措置を取っており、多くが依然として営業再開待ちの状況にある。

  1月に同社は、1−3月期売上高を630億−670億ドルと予想していたが、中国以外への感染拡大を受け2月に同ガイダンスを撤回していた。

  マエストリCFOは30日、「アップルTV+」や「アップルミュージック」などデジタルコンテンツサービスは引き続き好調な見通しを示した上で、保証サービスの「アップルケア」と広告収入は再び減少すると予想。「アップストア」の売上高は1−3月期に2桁の伸びとなり、有料サブスクリプション(定期利用契約)は5億5000万件を上回ったと説明した。

  1ー3月期の中国販売は約7億6000万ドル落ち込んだ。一方で、中国以外のアジア太平洋地域と欧州では増収となった。クックCEOは中国の小売店での客足はパンデミック前の水準に戻っていないと述べた。今四半期に発売がずれ込んだ「アイフォーンSE」については、価格が399ドルからで、グーグルのアンドロイドOSを搭載した端末のユーザーの乗り換えなどを促すだろうと語った。

  純利益は112億5000万ドル(1株当たり2.55ドル)で、前年同期は115億6000万ドル(同2.46ドル)だった。

(経営陣のコメントを追加し株価を更新します)

©2020 Bloomberg L.P.