(ブルームバーグ): トランプ米大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID19)を巡るスウェーデンの対応を批判したことで、同国の緩やかな対策は常軌を逸しているのか、それとも天才的なのかという議論が再燃している。

  トランプ大統領は新型コロナの脅威を当初軽視していたとして米国内で批判を浴びている。そうした中で4月30日、新型コロナ感染拡大を巡るスウェーデンの状況についてツイート。「報じられている状況とは逆に、スウェーデンはロックダウンしないという決断に対し手痛い代償を払っている」と記した。

  スウェーデン公衆衛生当局のトップ、ヨハン・カールソン氏は、トランプ氏の発言に影響されていないと説明。「重要なのは、この病気を確実に抑制し、医療システムに過度の負担がかからないようにすることだ。その点において、われわれはこれまでうまくやっている」と述べた。同氏の発言は、スウェーデン紙アフトンブラデットが報じた。

  ただ今回のトランプ氏の批判を受け、物議を醸すようなスウェーデンの対応に再び注目が集まっている。同国では学校や美容院、レストラン、ジムなどを閉鎖しておらず、社会の大半が活動を続けている。代わりに政府は国民に対し、責任ある行動やソーシャルディスタンシングの実施を求めている。

  完全なロックダウンを実施しないスウェーデンの決定に対し、当初は世界各国から批判が上がった。だが最近、感染率が安定化の兆しを見せる中でスウェーデンの著名疫学者アンデシュ・テグネル氏が同国の戦略は奏功していると宣言した後は、意見に変化も見られている。

  米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば、スウェーデンにおける死亡率は10万人当たり約24人。米国では同約19人となっている。ただスウェーデンのハレングレン保健相は、現在のデータだけで結論を出すことはできないと語る。

  同相はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「われわれは異なる局面にある。残念なことに、このパンデミック(世界的大流行)はまだ始まったばかりで、確固たる結論を導き出すのは時期尚早だ」と語った。

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