(ブルームバーグ): トランプ米大統領は新型コロナウイルスの流行を過去のものにしようと、楽観といらだちを織り交ぜながら経済活動の再開を促した。新型コロナウイルス感染症(COVID19)で米国では6万7000人余りが亡くなり、自身の再選見通しにも響いている。

  トランプ氏は3日夜にリンカーン記念堂で実施したバーチャル形式の対話集会で、再選を目指し追い込みをかける大統領選終盤の数カ月には満員の会場で政治集会を再び開きたいと発言。一部の州は制限緩和に向け「十分に素早く動いていない」と不満を述べた。

  トランプ氏はこの対話集会の最中にFOXニュースに対し、「われわれは回復する必要がある」と呼び掛け、新型コロナの危機は「過ぎ去る」と語った。

  トランプ氏は米経済の好調を自身の成果であると喧伝してきたが、新型コロナで急激に落ち込んだ。このため3月以降、社会的距離の維持を打ち切るよう繰り返し唱えている。この日はさらに、外出禁止に抗議する支持者、経済的な影響よりも新型コロナ感染を恐れる大多数の米国市民の両方に対し、実現可能性が薄い過大な約束をするというリスクを冒した。

  トランプ氏は医師らからは日程的に極めて厳しいため公言しないよう口止めされているとしつつ、自らの目標は米国が年末までに新型コロナのワクチンが用意できることだと強調。米経済は今年10−12月(第4四半期)と来年初めに完全に回復するだろうとも述べた。

  トランプ氏の発言によく見られる大げさな表現も飛び出した。リンカーン大統領の大理石像の下で、「リンカーンほどひどい扱いを受けた者はいない、といつも言われるが、私の方がひどい扱いを受けていると思う」と言明。リンカーン第16代大統領は暗殺された。

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