(ブルームバーグ): トランプ米大統領は5日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による感染者や死者の増加につながるとしても、米国民は日常生活に戻り始めるべきだと述べ、経済活動再開に向けて突き進む姿勢を示した。

  約1カ月ぶりにワシントンを離れたトランプ大統領は訪問先のアリゾナ州フェニックスで、新型コロナ感染問題への政府対応の「第2段階」を準備していると述べた。それにはこれまでの政府対応を導いてきたファウチ米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長らが参加する新型コロナ対策タスクフォース(作業部会)の解散なども含まれる。

  トランプ大統領は、経済活動の再開がより多くの苦難につながる可能性が高いことも認めた。「病気になる人や重症になる人も出てくるだろう。だが、われわれは米国の活動を再開する必要がある。近く再開させる必要がある」と語った。

  医療用マスクを製造するハネウェル・インターナショナルの工場を視察したトランプ大統領は、米国の経済的ダメージがあまりに大きく、長引く休業を続けることはできないと主張。米国民に対し、外出を考える際に自らを「戦士」と考えるよう促し、性急な経済活動再開に対する国民の深い懸念を暗に認めた。

  5日夜に放送されたABCニュースとのインタビューで同大統領は、米国の経済活動の休止は「これまで私自身が下さねばならなかった決断で最大のものだ」と指摘。「死者は増えるだろう。ワクチンの有無にかかわらず、ウイルスは伝染する。われわれは平常に戻ることになる」と述べ、ワクチンが開発されるまで確実に苦難が付きまとうが、経済再開への強い決意を示した。

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