(ブルームバーグ): フランスの銀行クレディ・アグリコルは新型コロナウイルス感染拡大の影響による融資の不良債権化に備え、前年同期の3倍近い貸倒引当金を計上した。

  6日の発表資料によると、同行は経済環境の悪化を踏まえ1−3月(第1四半期)の貸倒引当金を6億2100万ユーロ(約716億円)と、前年同期の2億2500万ユーロから増額した。総収入は52億ユーロと市場予想の50億ユーロを上回った半面、純利益は6億3800万ユーロに減少し、強弱まちまちな決算となった。同行は今回の危機を乗り越えられるとの楽観的見方も示した。

  クレディ・アグリコルはライバルのBNPパリバやソシエテ・ジェネラルに比べて事業が多様で、トレーディングへの依存度は低い。投資銀行活動を含む大口顧客部門の総収入は、債券ビジネスなどをけん引役に8%余り増加した。

  ジェローム・グリベ最高財務責任者(CFO)は電話会見で「われわれは大企業顧客の資金調達ニーズに焦点を当てている」と述べ、「これは当行のバランスシートを使う活動であり、それを批判されることもある。うまくいけば変動がはるかに少なく、他行よりも市場の混乱にさらされにくい活動だ」と説明した。

  大口顧客が資金調達ニーズを満たそうと急ぐ中、同行は3月末に与信枠の利用急増を認めたと説明。与信枠の使用率は2月末の18%から32%に増加。4月23日時点で106億ユーロが既存の与信枠から引き出され、その70%余りが預金に転じたことを明らかにした。

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