(ブルームバーグ): 米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)が厳しい見通しを示している。ここ数週間に見舞われたひどい状況と同じように、米国の経済界を取り巻く環境が一段と悪化する公算が大きいというものだ。

  フィンク氏は今週のウェルスアドバイザリー会社顧客との電話会議で、大量倒産や空席だらけの旅客機、慎重な消費者、増税といった見通しや可能性に言及。世界最大の資産運用会社を率いる同氏からのこうしたメッセージとは裏腹に、株式市場は最近の安値から反発し活況だ。

  ウォール街の著名人の間でもフィンク氏の発言は特別な影響力を持つ。同氏はトランプ大統領に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響をどう乗り越えるかを助言。ブラックロックは連邦準備制度による市場安定化策で重要な役割を果たし、市場からの多額の資産購入を支援している。

  発言内容について知る関係者によると、フィンク氏は複数のバンカーから連鎖倒産が米経済に打撃を与えるとの見通しを告げられたことを明らかにし、連邦準備制度による一層の支援提供が必要ではないかと思うと語ったという。

  同氏はさらに、米国が深刻化する経済不況に陥ったとしても、回復が難しいセクターを支える緊急対策費を賄うため増税を余儀なくされると警告。2017年の税制改革の一環として法制化された21%の法人税率が来年、約28%か29%に引き上げられるシナリオも示したほか、個人向けの増税も予想した。  

  ブラックロックの広報担当者はコメントを控えている。

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