(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で壊滅的打撃を受けているレンタカー各社は生き残りをかけ、自動車メーカーと協力し、車両の発注取り消しに動いている。

  ゼネラル・モーターズ(GM)の広報担当者によれば、同社はハーツ・グローバル・ホールティングスやエイビス・バジェット・グループ、非公開会社のエンタープライズ・ホールディングスに納車予定だった車両を引き取っている。韓国の現代自動車も、レンタカー会社など大口顧客(フリート)向けの生産を計画していた一部車両を一般販売店向けに振り向けたことを確認した。

  また、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は先月初め、複数のレンタカー会社が購入していた約3万台に上る車両のリストをまとめ、それを他の大口見込み客に提示したことが関係者の話で明らかになっている。同リストはブルームバーグ・ニュースも確認した。FCAの広報担当は、他の顧客への車両の受け渡しは物流上の理由から実現しなかったと述べた。

  自動車メーカーによるこうした取り組みは、旅行需要の激減でレンタカー業界が陥った苦境を物語る。破産の回避を目指すハーツは債務再編をまとめるための時間的猶予と、これまでに支払いが滞っている債務の返済猶予を債権団から5日に得ている。  

  一部で異例の供給だぶつきとなっている米自動車市場だが、自動車メーカーは当面、販売てこ入れでレンタカー会社を頼れそうにない。フリート向け販売は米自動車市場全体の約20%を占め、その大部分がレンタカー業界向けとなっている。

  事情に詳しい関係者が情報の非公開を理由に匿名で語ったところによると、ハーツとエイビス、エンタープライズは5月分と6月分、さらに7月に向けてのGM向け発注を全てキャンセルした。ハーツは5日の当局への届け出で、年内の新規車両購入は見送る意向を示した。

  ハーツの広報担当は同届け出より詳しい内容についてのコメントは控えた。エイビスとエンタープライズからのコメントは今のところ得られていない。

©2020 Bloomberg L.P.