(ブルームバーグ): 東京外国為替市場のドル・円相場は小幅に上昇。米中対立の再燃懸念などを背景に日本の大型連休中に約1カ月半ぶりの安値を付けたのを受け、国内の輸入企業などによるドル買い・円売りが優勢となった。市場予想を上回る経済指標を受けたオーストラリアドル、イングランド銀行(英中央銀行)が金融政策据え置きを発表したポンドがそれぞれ上昇。

市場関係者の見方

バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト

大型連休明けとあって国内の輸入企業や機関投資家が下がったところから買い上がるフロー主導の展開。ただ、リスク回避的な流れの中でドルも円も買われ、円の方が安全通貨としてやや買われやすい状況は変わらない米中対立の再燃は米大統領選まで続くとみられることに加え、新型コロナウイルスのスケープゴートとしての中国批判はその後も続く可能性が高い。豪ドルなどが上昇基調に転じるイメージは描きにくい英中銀の金融政策据え置きは予想通りだが、市場の一部には量的緩和(QE)拡大の思惑があったようで、それがポンドの買い戻しにつながっているようだ

あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長

ドル・円は仲値にかけて輸入企業など実需の買いが入った。日本は前日まで大型連休だったので、円高進行を受けて買いがまとめて出てきた形だ米中対立とドイツの裁判所が欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策に異議を唱えたことを背景としたリスク回避的な株安・ドル買い・円買いの流れは変わらない豪ドルは米中対立懸念を背景とした人民元安に連れて下げてきたが、予想を上回る貿易黒字を受けて反発

三井住友銀行NYトレーディンググループの下村剛グループ長

市場では新型コロナウイルス感染拡大のピークアウトを受けた経済封鎖の段階的な解除観測と米中対立の再燃懸念が交錯ドル・円だけでは大きな方向感は出づらい中、リスク回避の流れを受けたクロス・円主導の円高が進んできたが、ここまで下がったら連休明けの国内勢の中には割安感から買いたい向きもあるだろう

背景

【新型コロナ】米感染拡大が鈍化傾向を維持−スペイン非常事態宣言延長ドイツが経済活動再開に向けて大きく前進、デンマークとオランダも制限解除に向けた追加措置を計画米国務長官、中国批判強める−研究所が発生源との主張はトーン弱める3月の豪貿易黒字は106億豪ドルと市場予想を上回る中国の輸出、4月は予想外の増加−コロナ禍で持ち直しも一時的か英中銀、政策金利を0.100%に据え置き、QEの資産買い入れ枠6450億ポンドを維持

©2020 Bloomberg L.P.