(ブルームバーグ): 5月2週(11日−15日)の日本株は堅調な展開になりそうだ。新型コロナウイルスの感染が収束すれば、経済活動が徐々に再開して景気が底を打つとの期待が出ている。

  緊急事態宣言は14日ごろ一部地域で解除になる可能性が出ているため、経済活動再開への期待が高まる。菅官房長官は東京都など13の「特定警戒都道府県」でも、専門家が可能と判断すれば期間満了前に解除できるとの認識を示した。英国も週明けの11日から全国的なロックダウン(都市封鎖)を一部緩和して外出の自由を拡大する見通し。日本や欧米の一部地域での規制緩和による景気改善への期待が相場の追い風になる。

  ピークを迎える国内企業の決算発表では、新型コロナの影響が焦点だ。今年度の業績見通しが不透明で、計画を非開示とする企業が多くなりそうだが、市場では株価への織り込みも進んでいる。東京証券取引所の資料によると、トヨタ自動車やソニー、武田薬など1472社が決算発表する予定だ。

  米中の景気を示す重要な経済指標にも注目が集まりそうだ。中国が12日に発表する4月の消費者物価指数(CPI)の市場予想は前年同月比3.7%増と前月(4.3%増)を下回る。生産者物価指数(PPI)も前月の減少率より悪化しそうだ。同日発表の4月の米CPIの市場予想は前月比で0.7%減と前月の0.4%減から悪化する見通し。半面、中国が15日に発表する4月の鉱工業生産と小売売上高はいずれも改善する見込みだ。

《市場関係者の見方》

三井住友DSアセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト

  「日本株は堅調さを取り戻す展開となりそうだ。緊急事態宣言の解除に向かう期待が高まる。企業業績が見通せない中で株価は割高になってきているが、宣言の解除前倒しを見越した投資家のマインドが高まれば現在の株価水準を維持できるだろう。一方で米中貿易協議を巡る新しい次元での摩擦は織り込んでおらず警戒が必要だが、米大統領選を前にトランプ大統領が米国株の直近の下落を深堀りする方向につながるような発言はしないだろう」

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員

  「高値圏でもみ合いだろう。新型コロナを受けた米国株の下げが異常だっただけに、政策総動員とロックダウン解除による来期V字回復を見込んだ反発機運は基本的に継続する可能性がある。米国株の高PERも許容されるだろう。ただ、4−6月期の企業決算を確認するまでは大型株がさらに上値を追うような状況にはなく、日経平均は2万円が戻りの限界だ。現在は悪い経済指標にも反応薄だが、もし中国の経済指標悪化に反応し始めると、相場の転換点になるかもしれない」

(8日配信記事:市場関係者の見方での「三井住友DSアセットマネジメント」の社名を訂正します)

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