(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は7日、来月にも金融緩和を拡大する可能性があることを鮮明にした。同中銀は英国経済の今年の成長率をマイナス14%と予想した。

  必要な措置を取るとした総裁の発言は、債券購入が必要な限り延長され無制限となる可能性を示唆する。総裁はQEの目標額を設定することと無制限にすることの区別はないとも言明した。

  中銀はこの日、政策金利を0.1%に据え置き、量的緩和(QE)プログラムの購入枠を6450億ポンド(約85兆円)で維持すると発表したが、政策決定会合の議事要旨によれば、金融政策委員会(MPC)の9人のうち2人が、購入枠の1000億ポンド増額を主張。他の委員も下振れリスクのため追加措置が必要になる可能性があると同意した。

  ベイリー総裁は、新型コロナウイルス危機の中で英経済を守る「全面的かつ断固たるコミットメント」を表明。さらに記者団に対し、今会合で行動を決定しなかったからと言って、近い将来に対応する可能性を排除しているということではないと説明した。

  その後で行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューでは、6月の会合で「例えばQEを拡大できる。あらゆる選択肢が残されている」と言明。「マイナス金利に近づいているとは言いたくないが、排除しているものは何もない」と述べた。ただ、マイナス金利の活用には「程遠い」と付け加えた。

  MPCメンバーらは現在のペースではQE購入枠が7月初めに使い尽くされることを指摘しており、6月の会合で6450億ポンドの上限が見直される可能性が高い。

  ベイリー総裁は、英中銀は「インフレ目標に沿いつつ経済を支えるために必要な措置を取る」と述べた。 

  中銀は新型コロナウイルス感染拡大阻止のための制限措置に伴い今年の国内総生産(GDP)が14%減少し、来年は急回復すると予想した。

  今年4−6月(第2四半期)が底となりGDPは前四半期から30%減少、失業率は2倍強の9%に達するとの見通しを示した。2021年終盤までには20年の経済縮小を全て取り戻すと見込む。

  MPCではハスケル、ソーンダース両委員が債券購入拡大を主張したが、大半のメンバーは現行プログラムがまだ完了してはいないことを理由にロックダウン解除の進展を見守るべきだとの考えを示した。今後数週間に情勢がより明らかになると論じた。

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