(ブルームバーグ): トランプ米政権の経済顧問は10日、大恐慌以来で最悪となっている雇用状況の下振れに警戒感を示し、米経済活動の「安全な」再開が早急に必要だと主張した。

  4月の失業率は14.7%と、1930年代の大恐慌以来の高水準に上昇したが、失業はホワイトカラーにも拡大しており、5月はさらに悪化するとみられている。

  大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット前委員長は、新型コロナウイルス感染拡大に絡んだ経済活動停止の解除で景気が2020年下半期に回復し始める前に、失業率が5月か6月に20%超でピークに達する可能性があるとの見通しを示した。

  ハセット氏はCBSの番組で、その予測について、大量の新規失業保険申請件数を基にした推計だと説明した。同氏は最近、ウイルス関連での経済顧問としてホワイトハウスに復帰した。

  ムニューシン財務長官はFOXニュースの番組で、4月の数値の集計以降に700万人がさらに失業し、職探しを諦めた人もいることから、実際の失業率はすでに25%に近い可能性があるとの認識を示した。雇用関連の統計は「改善する前に恐らく一段と悪化する」と予想した。

  米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長はABCの番組で、雇用統計での「希望の光」は解雇された人の約80%が一時帰休あるいは一時的なレイオフだということだと指摘。それでも、5月は「非常に厳しい数字」になるだろうと認めた。

  ハセット氏はトランプ政権と議会、金融当局がこれまでに最大9兆ドル(約960兆円)の景気刺激策で橋渡しの役割を担ったと発言。「時間を稼いだ」としながらも、「それが機能するかどうか誰も確信を持てない」と述べた。

  さらに、一段の橋渡しが必要になるか、経済がもっと急速に回復し始めるかを巡り、トランプ政権はいずれのシナリオに対しても備えていると明らかにした。

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