(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ドイツ連邦憲法裁判所が欧州中央銀行(ECB)の金融政策に修正を命じる判断を下したことを巡り、週末に2回にわたりドイツを相手取り提訴も辞さない構えを示した。深刻なリセッション(景気後退)に見舞われる欧州大陸で制度的な対決が生じる可能性が高まった。

  フォンデアライエン欧州委員長は10日の声明で、「EU法に関する最終的な判断は常にルクセンブルクで示される。他の地ではない」と欧州司法裁判所の本部所在地に言及。ドイツ憲法裁がECBに量的緩和(QE)政策の欠点とされる部分について3カ月以内の修正を命じたことを巡り、訴訟も辞さない考えを示した。

  今月5日のドイツ憲法裁の判断は、EU域内27カ国全般に法的拘束力を持つ欧州司法裁判所の優位性に異議を唱えるものであるだけに、法的に解決困難な問題を引き起こす恐れがある。

  こうした事態は、他国も欧州司法裁の権限に疑念を持ち始めるリスクを突き付けており、いずれユーロの将来を脅かしかねない問題だと、ショイブレ前独財務相は指摘した。

  フォンデアライエン委員長は9日の声明でも「EU法は国の法律に優越する」と指摘していた。

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