(ブルームバーグ): 大手アパレルメーカー三陽商会が26日に開催予定の定時株主総会に関し、米国の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が中山雅之社長の取締役再任に反対を推奨したことが11日、分かった。中山社長の再任については、すでに大株主である米アクティビストファンドのRMBキャピタルに加え、シンガポールの投資ファンドも反対を表明した。

  三陽商の定時総会をめぐっては、RMBが取締役会の大幅な刷新を求めて7人の選任を求める株主提案を実施している。中山社長の退任を求めているほか、社長候補としてマッキンゼー・アンド・カンパニー出身で企業再生に実績のある小森哲郎氏の選任を推薦。ほかに、RMBの細水政和ポートフォリオマネジャーらの取締役就任を提案。現在の取締役との重複は2人のみだ。

  ISSは顧客向けリポートで「RMBの三陽商の業績に対する懸念は正当であり、経営陣の刷新が必要だ」としながらも、三陽商自身が株主総会以降の新たな経営体制を発表していることを理由に、会社提案の9人の取締役候補のうち反対推奨は中山氏1人とした。一方、RMBの提案については、会社提案との重複を除くと細水氏1人を賛成推奨とした。

  中山氏への反対推奨の理由として、低い自己資本利益率(ROE)や純損失が続く業績不振についてトップとしての経営責任があると指摘した。また、細水氏への賛成推奨の理由として、今の経営陣にない投資家目線を取り入れることになり、取締役会の独立性が増すと述べた。

  三陽商は収益の柱だった英バーバリーとの日本国内のライセンス契約が15年に終了。16年12月期以降、4期連続の純損失となっている。今年4月の決算発表時に「再生プラン」を公表し、総会後の大江伸治副社長(72)の社長昇格と中山社長の副社長への降格を発表した。大江氏は三井物産出身で、3月に入社したばかり。会社側とRMBの双方が取締役候補に推している。

  また、シンガポールの投資ファンド、ひびき・パース・アドバイザーズは10日、三陽商の中山社長の取締役再任に反対すると発表した。会社側とRMBが推薦する大江副社長、RMBのみが推薦する小森氏の取締役選任には賛成すると表明した。それ以外の議決権行使についての詳細なコメントは控えた。

  ひびき・パースは中山社長の再任に反対する理由として、留任すれば過去のしがらみを断ち切れるのか疑問などとしている。大江氏、小森氏については素晴らしい事業再生の実績があり、抜本的な経営改善が必要な今の三陽商にうってつけの人材だとした。ブルームバーグのデータによると、RMBは三陽商株6%超を保有する5位株主、ひびき・パースは同5%超を保有する8位株主。

  11日の三陽商の株価は、一時前営業日比9.6%高の974円まで上昇し、2月12日以来の日中上昇率を付けた。

(米ISSのコメントなどを追加して記事を更新します)

©2020 Bloomberg L.P.