(ブルームバーグ): サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、石油化学大手サウジ基礎産業公社(SABIC)の支配株取得に伴う支払いをさらに先送りすることで初期段階の交渉を行っている。原油価格の急落がアラムコの財務を圧迫していることが背景にある。

  アラムコは同国の政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が保有するSABIC株式70%を取得することで合意しているが、事情を知る複数の関係者が明らかにしたところによれば、支払いの先延ばしやPIFに対する初回支払いの減額を検討している。情報の非公開を理由に匿名で語った。

  同関係者の1人によると、アラムコは買収額691億ドル(約7兆3800億円)の減額が可能かどうかも検討しているという。交渉は初期段階で合意に達するかどうかは不明だと、関係者らは説明した。

  アラムコとPIFはすでに合意内容の見直しを行い、昨年10月に交わした現在の合意条件ではアラムコが買収額の3分の1を現金で支払う取り決めとなっている。それまでは半分を現金で払うことになっていた。残りの分の支払い期限は2025年9月まで4年先延ばしされた。19年3月の当初合意では、アラムコがSABIC株を1株当たり123.4リヤル(約3500円)で購入する予定だった。その後、SABIC株は71.7リヤルまで下落。

  アラムコの担当者はうわさや臆測についてコメントしないと述べた。SABICの担当者はアラムコとPIFとの間の問題だとした。PIFの担当者にコメントを求めたが現時点で返答はない。ロイター通信は10日、事情に詳しい関係者を引用しアラムコが買収額の見直しを検討していると報じていた。

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