(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は今週、現行措置の弾薬が尽きていないにもかかわらず、金融緩和を拡大すると見込まれている。

  ECBは3月に開始した7500億ユーロ(約91兆円)規模の「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の購入枠の3分の1も費やしていない。現在の購入ペースであれば、新型コロナウイルス危機によるリセッション(景気後退)対策で発行が増える域内各国の国債を吸収するのに今の規模が十分かどうかを判断するのは7月か9月の会合でもいいはずだ。

  これまでの購入に加え、欧州連合(EU)が7500億ユーロ規模の復興基金を通じた共同の財政対応に近づいたこともあり、ECBに追加措置を求める市場の圧力も弱まっている。

  しかし、広く予想されている購入拡大がなければ、3月にラガルド総裁が周辺国国債市場の沈静化に向けた行動を取らない可能性を意図せずに示唆した時と同じような市場の反応を引き起こす恐れがある。

  トロント・ドミニオン銀行の欧州金利担当シニアストラテジスト、プージャ・クムラ氏は「PEPPの拡大がなければ基本的に、周辺国国債への大きなショックになる」と述べた。

  ブルームバーグが先週実施した調査では、圧倒的多数が5000億ユーロの購入拡大を予想した。

  一方、通信社のマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)は今週、政策委員会の「多くのメンバー」が増額に反対するだろうと報じた。

  エバコアISIの中銀戦略責任者、クリシュナ・グハ氏は、関係者を引用したこの報道は「気掛かり」で無視できないと話す。ベレンベルクのチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏はPEPPの増額の確率を60%とみている。

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