(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスの感染拡大による相場変動により、スマートフォン金融のLINE(ライン)証券の1日平均株式売買代金がコロナショック前と比べて約3.6倍に跳ね上がっていたことが分かった。オンライン専業証券各社で売買代金や新規口座数が急伸したが、スマホ証券でも同じ傾向が確認できたことになる。

  LINE証が17日までにメディア向けのオンライン説明会で明らかにした。同証は直近の口座数や売買代金の実数を公開していないが、相場が大きく下落を始めた2月25日を挟んで前後30営業日を比べたところ、売買代金のほか、1日平均の約定件数は約2.5倍、同稼働口座数は約2倍に増えたという。

  出席したイ・ウォンチョル取締役はコロナ下でのデジタルトランスフォーメーションの進展でネット証券の優位性がより目立ったとして「コロナショックは今後の証券界に大きな変化をもたらす可能性が非常に高い」と期待を示した。同社の顧客属性は5月末時点で投資初心者が58%、20代、30代が計53%と他のオンライン証券と比較的似た構成になっている。

  昨年8月の営業開始以降、投資信託や外国為替証拠金取引(FX)など順次商品を拡充させてきており、17日からは毎月、指定した投資信託を自動で買い付ける積み立て投資サービスを開始すると発表した。最低1000円から利用できるという。FXは3月16日のサービス開始から3カ月で4万口座を超えたことを明かした。

  スマホ金融をめぐっては、SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループが提携を発表。大和証券グループ本社傘下の「CONNECT(コネクト)」が7月初旬に開業を予定するなど競争が激化している。

  ライン証の米永吉和共同最高経営責任者(Co−CEO)は説明会で「足元で大きなムーブメントになっていることは大変いい環境」と述べた上で「ラインらしいユーザーインターフェース、ユーザー体験を提供できるのが強みだ」と自信をのぞかせた。

  同証はLINE(ライン)と野村ホールディングスが共同出資して設立。決算公告によると、2019年12月期は40億円の営業損失を計上している。

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