(ブルームバーグ): 25日に破産手続きを申請したドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードは、19億ユーロ(約2280億円)の資金の所在不明を明らかにする数カ月前に、債券を発行したり高い金利を提示して預金を集めたりするなど、資金集めに奔走していた。

  昨年9月には初の投資適格社債を5億ユーロ発行。そのすぐ後にはソフトバンクグループの支援を得て9億ユーロの転換社債を発行した。昨年に入って不適切会計の疑惑が表面化した同社に、ソフトバンクGは支持を表明していた。

  こうした資金の一部は十数行の銀行が提供している17億5000万ユーロの信用枠で利用した額の返済に充てる予定だった。しかし今年6月までに会計疑惑が深刻度を増し、再びほぼ全額を利用することになったと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

  巨額の資金集めは不正会計疑惑をワイヤーカードが否定しながらも、資金の穴埋めに動いていた可能性を示唆する。同社はマーカス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)が逮捕された3日後の25日に破産手続きを申請し、ドイツの金融界に衝撃を走らせた。

  同社はまた、ドイツ他行がマイナス金利の影響を顧客に転嫁せざるを得なくなる中で、今年2月にアプリケーションを通じた預金に0.75%の金利を提示して預金を集めていた。同社の銀行部門の個人口座残高は昨年9月末で17億2000万ユーロと、2018年末の12億6000万ユーロから増加。そのうち約5億5000万ユーロを投資し、12億ユーロ程度を現金として保有していた。

  グループ全体では現金および現金同等物の資産が約33億ユーロあるとしていたが、このうち19億ユーロは恐らく存在しない公算が大きいと同社が認めたたため、投資されていない預金を少し上回る14億ユーロが実際の数字である可能性が高い。

  

©2020 Bloomberg L.P.