(ブルームバーグ): ドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードを巡る会計不正で、ドイツ銀行の会計責任者アンドレアス・レッチャー氏ほか2人が、同国の個人投資家団体SdKから告発された。レッチャー氏はワイヤーカードの監査法人を長年務めたアーンスト・アンド・ヤング(EY)に在籍していた当時、今回の不正に関与した疑いが持たれている。

  26日の発表文によると、SdKはEYの現パートナー2人と元パートナー1人を「ワイヤーカードを巡る事案」で刑事告発した。3人の名前はこの中で明かされていないが、元パートナーはレッチャー氏だと、事情に詳しい関係者は語った。

  レッチャー氏はEYで20年間の勤務歴があり、当局提出文書によると、2015−17年度のワイヤーカード会計監査を監督した。18年に退社し、訴訟や規制上の問題で苦しんでいたドイツ銀行に最高会計責任者(CAO)として移籍した。

  ドイツ銀行は「ワイヤーカードを巡っては多くの未解決の問題がある」とし、同行に対する「レッチャー氏の貢献は高く評価されている。いずれにしても、全ての人と同様に有罪が確定するまでは無罪だと推定する」と発表。レッチャー氏は広報を通してコメントを拒否し、EYはコメントを控えた。

  ドイツ銀行はワイヤーカードと深い関係を持つ。ワイヤーカードとその前最高経営責任者(CEO)ブラウン氏個人にも貸し付けがあり、同社が昨年社債を発行した際にはグローバル・コーディネーターを務めた。2014年のワイヤーカード株式売り出しでも主導的な役割を果たし、傘下の資産運用会社DWSは今年初めに一時、ワイヤーカードの上位株主だった。

  ブラウン氏もドイツ銀行の地域諮問委員会のメンバーに加わっていたことがある。事情に詳しい関係者が以前述べていたところによると、ワイヤーカードはドイツ銀行に統合の構想を持ち掛けたことすらある。

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