(ブルームバーグ): トランプ米大統領は米国の現状について、新型コロナウイルスの感染者が急増しているのは検査を増やしているためだとの持論を展開し、経済は今にも急激に息を吹き返すと主張。11月の大統領選で大差をつけられて再選を逃す可能性を示唆している世論調査はでたらめだと断じる。

  トランプ大統領の論理では、警察の暴力に抗議する市民の大多数はテロリストや無政府主義者、略奪者であり、組織的な人種差別に関する懸念は誇張されているということになる。また、自身は歴代大統領で最も素晴らしい実績を残しており、黒人を巡る功績でもリンカーン大統領を除けば他の大統領をしのいでいると主張する。

  大統領選まで約4カ月となる中、トランプ氏のこうした発言は現実とかけ離れている。実際には新型コロナの感染は経済活動再開を急ぎ過ぎたことや、マスク着用を巡る政治的対立などによって再び拡大している。また景気回復は2021年以降になる可能性があり、警察暴力への抗議活動は一部に略奪などがあったものの概ね平和的であり、警察組織や米社会に根深い人種差別があると公に認める政治指導者も共和、民主両党で増えている。

  そしてさらに重要なのは、世論調査でトランプ大統領が民主党候補指名を確定させているバイデン前副大統領に対し、一段と劣勢になっていることだ。

  共和党のリンゼー・グラム上院議員は、判断するのはまだ早いとしながらもトランプ大統領の支持率が低下していることを認め、大統領は「もっと規律をもってメッセージする」必要があり、経済などのテーマに集中すべきだと指摘した。

  しかしトランプ大統領が考えを改める兆候は見られない。まだ多くの国民が失業状態で、指標が2月の高水準をはるかに下回っている中で、大統領は26日にホワイトハウスで、自身の政権下での歴史的な株高を称賛した。

©2020 Bloomberg L.P.