(ブルームバーグ): 中国は国内の大手商業銀行に投資銀行業や証券業を年内にも認める準備をしている。21兆ドル(約2250兆円)規模に上る中国の巨大資本市場での競争が激化する中で、ウォール街の各行に対抗し得る体制を整える。

  監督当局は中国工商銀行や中国建設銀行など一部の大手行にこうした業務の免許を試験的に付与する計画について協議している。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

  関係者によると、商業銀行法の改正も検討されている。銀行が証券や先物に事業を多角化することを数十年にわたり阻んできた法的ハードルを外すのが狙いだという。

  合わせて43兆ドル相当の資産を持つ中国の銀行が企業の合併・買収(M&A)助言や証券業、トレーディング業に参入すれば、中信証券(CITIC証券)などの国内証券勢にとって大きな脅威となる。中国で事業を拡大しているゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーなどの外国勢にとっても競争が厳しくなる。

  香港在勤のジュディ・チャン氏らシティグループのアナリストはリポートで、「金利以外の収入を押し上げることができるユニバーサルバンキングモデルに中国の銀行が移行するのに役立つ」としながらも、利益の増加は限定的だと予想。また、中小の証券会社が淘汰(とうた)され金融セクターのサプライサイドの改革が加速するとも指摘した。

  証券監督管理委員会(証監会)と銀行保険監督管理委員会(銀保監会)にコメントを求めたが、今のところ返答はない。建設銀と工商銀の担当者はコメント要請に応じていない。

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