(ブルームバーグ): 東京都内で2日、新たに107人の新型コロナウイルス感染者が確認された。都内の1日の感染者数が100人を超えるのは5月2日以来2カ月ぶり。小池百合子知事が同日夕の対策本部会議で明らかにした。

  小池知事は対策本部会議で、現在の状況について「感染拡大の警戒を要する段階」との認識を示した上で、都民には夜の街への外出を自粛するよう呼び掛けた。事業者にはガイドラインに基づく感染防止策の徹底を求めた。専門家からは感染が拡大しつつあり、医療提供体制強化の準備が必要と思われるとの分析結果を受けたとも話した。

  会議後の記者会見で小池氏は、6月30日に発表した新たなモニタリング指標に基づいた専門家による4段階の分析で、感染状況は最も深刻な状況に次ぐ3段階目、医療提供体制は2段階目であるとした。

  新宿・池袋エリアで多くの新規感染者が出ており、これらの地域の接待を伴う飲食店の経営者には、従業員への積極的なPCR検査と感染防止ガイドラインの徹底を呼び掛けた。感染拡大防止に向けては、感染の広がっている地域や業種への協力要請を続ける方針で、現時点では休業要請は実施しない考えを示した。

  会見に同席した東京都医師会の猪口正孝副会長は、最近判明している新規感染者は重症化リスクが比較的少ない若い世代が中心だが、今後50代以上にも感染が拡大していくと入院患者が増え、「医療需要が変わる」と警戒感を示した。 

  5月25日に緊急事態宣言が解除された後、経済活動は徐々に活発化していたが、都内では最近、20代から30代の若者や新宿区などの接待を伴う飲食店で働く従業員らの間で感染が拡大していた。小池知事は2日に分かった新規感染者に関しても「若者が多い」と指摘した。

  安倍晋三首相は2日夜、官邸で記者団に対し、高い緊張感を持って「東京都や感染者が多数出ている自治体と緊密に連携しながら対応していくことが大切だ」と述べた。

  一方、西村康稔経済再生担当相は記者会見で、緊急事態宣言を再度発令するような大きな波はまだ来ていないが、「警戒すべきところに来つつある」とも指摘した。再度の休業要請は「誰もやりたくない」として、さらなる感染拡大防止への協力を呼び掛けた。

新規感染者数

  新型コロナウイルスの東京都内での直近1週間の新規感染者数は1日の時点で人口10万当たり2.8人程度となり、地方自治体が外出自粛などの協力要請を行う指標として厚生労働省が示した同2.5人を超えている。菅義偉官房長官が2日午前の記者会見で明らかにした。

  厚生労働省が6月19日付で地方自治体に出した事務連絡では、人口10万人当たりの新規感染者数が1週間で2.5人となった日を都道府県知事が社会への協力要請を行う基準日としている。東京新聞は同月29日以降、既にこの指標を上回っていると報じた。

  菅官房長官は都内の状況に関しては、濃厚接触者などが積極的に検査を受けた結果も含まれていると指摘した。今後の対応については「引き続き緊張感を持って地域の感染状況を注視」しつつ、自治体とも緊密に連携して「感染拡大防止と社会経済活動の両立にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。

  ただ、1日時点までの新規感染者数は「3月下旬のように急増傾向にあるというわけではない」とも述べ、外出などの自粛要請を東京都に促す可能性については「考えていない」としていた。

(小池都知事や西村再生相の記者会見の内容を追加し、更新しました)

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