(ブルームバーグ): 東京都内で9日、新たに224人の新型コロナウイルスの感染者が確認された。1日当たりでは4月17日の206人を上回り、過去最多。小池百合子都知事が明らかにした。都が開いたモニタリング会議では、専門家が医療提供体制を強化する必要があるとの見解を示し、軽症者向けの宿泊施設を新たに確保することや検査体制をさらに拡充する方針を決めた。

  小池知事は都の対策本部会議で、新規感染者224人のうち、20−30代が75%で、夜の街関連が一定数を占めていると報告した。PCR検査は3400件実施した。接待を伴う飲食店だけではなく、若い世代の友人同士のパーティーや会食でも感染が拡大しているとも指摘した。

  その後の記者会見では、新規感染者の増加について専門家は「検査が増えただけではない、より注意が必要」と評価していると指摘。過去最多の感染確認は、「一つの警告」であり、発熱など症状のある人には、「都外に出ることは控えてほしい」と求めた。

  共同通信によれば、西村康稔経済再生担当相は小池都知事との会談後、医療態勢は逼迫(ひっぱく)しておらず、状況は4月の緊急事態宣言発出時とは違うと、記者団に述べた。

グラスの回し飲み

  モニタリング会議で小池氏は、新宿や池袋など夜の街関連での集団検査が実施されている結果、「陽性者もおのずと上がっている」と指摘。接待を伴う飲食店など「三密」の危険性の高い施設への外出を控えるよう都民に改めて注意喚起したほか、会食でのグラスの回し飲みにも気を付けるよう求めた。専門家からは先週と比較すると、若い世代に加えて、40−50代でも増加が見られるとの見方も示された。

  都では、接待を伴う飲食店の経営者に、従業員が積極的なPCR検査を受けるよう要請を続ける方針。今後は民間検査機関を活用するなどして現時点で最大1日6500件の検査能力を1日1万件に拡充する考えだ。

  新型コロナ対策をさらに強化するため、総額3132億円の補正予算案もまとめた。池袋のある豊島区が独自に行うクラスター(感染者集団)の発生した店舗に対する休業要請協力金など区市町村による対策に財政支援を行うほか、患者を受け入れた医療機関に対する支援金や、家賃支援に上乗せする独自給付金なども盛り込んだ。

  

緊急事態宣言考えず

  菅義偉官房長官は9日午後の記者会見で、医療提供体制などを考慮すると、「再び緊急事態宣言を発出する状況に該当するとは考えていない」と指摘、10日から予定しているイベント制限緩和についても、「感染防止策をしっかり行った上で予定通り行うという考えに変わりない」と語った。

  都内の新規感染者数は2日から6日連続で100人超が続いたが8日は75人だった。西村康稔経済再生担当相は9日午前の参院内閣委員会で、その理由について新宿区内で行った検査結果の報告が「少し少ない」ことを挙げ、「少しずれてきょう、明日増えることも考えられる」と述べていた。

(第4段落に西村経済再生相の発言を加えます)

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