(ブルームバーグ): 新型コロナウイルス危機で逼迫(ひっぱく)した市場の流動性はまだ完全には回復しておらず、新たな衝撃による打撃に弱い可能性があるとの見方を、JPモルガン・チェースが示した。

  ジョイス・チャン、 ニコラオス・パニギリツオグル、マルコ・コラノビッチ3氏を含むストラテジストらはリポートで、「流動性環境はかなり改善したが、完全ではない。全体としての機能はほぼ回復したが、市場は引き続き不安定な均衡の上にあり衝撃に対して脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘した。

  「クレジットと債券は流動性の点で完全回復に近いと見受けられる一方、株式と外国為替は調整前の水準にはまだやや遠い様子だ」と分析した。

  クレジット市場は現物・デリバティブとも流動性の基準に改善が見られ、米金融当局の政策が高格付け債券市場の回復を「著しく」後押ししたと指摘。一方で、S&P500種株価指数のEミニ先物の流動性は3月の調整前に見られた水準の約40%でしかなく、為替市場の流動性は「薄氷を踏む」状態だとの見方を示した。

  「米国債市場の流動性は顕著に回復したものの、下期にはデュレーションサプライが40%増える見込みであることや規制上の緩和措置は一時的であることから、流動性低下の次の波で影響を受けやすい」と分析した。

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