(ブルームバーグ): 米ドルに疲労感の兆候が見える中で、世界的なリスクセンチメントを映す役割を中国の人民元が引き継いでいる。

  世界的な株式、債券、商品相場の上昇は、ドルの動きとは切り離されつつある。ドルは6月に弱気相場入りし、月間では4カ月連続のマイナスに向かいつつある。一方、人民元は心理的な節目を上回り、7月は昨年10月以来で最高のパフォーマンスとなりそうだ。

  人民元と各相場の相関が強まっているのは偶然ではない。世界的な相場上昇の中心的テーマおよび人民元高の背景は、中国がリードする形で世界が新型コロナウイルスの感染拡大による不況から脱するとの楽観が強まっていることにある。米連邦準備制度理事会(FRB)を含む世界の中央銀行からの流動性の波は人民元資産だけでなく、中国と密接な関係を持つ各市場にも流れ込んでいる。

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  人民元と各相場の相関を示す一部の例を以下にまとめた。

  ユーロと人民元は足元、過去1年1カ月のどの時期よりも相関した動きとなっている。両通貨の正の相関関係は、2016年のような世界的なリスクオン相場の時に強まり、貿易を巡る懸念が強かった昨年のような時期に弱まる。両通貨の関係は、ユーロ建て資産やユーロに連れて動くことの多い東欧通貨の行方を示唆する間接的な指標になる。

  しかし、人民元の影響が最も顕著に表れるのは商品価格だ。ブルームバーグ商品指数の人民元に対する感応度は11年以降で最も強くなっている。

  新興国市場に対する中国の影響は強くなる一方だ。上昇を続ける中国株の時価総額は9兆3000億ドル(約997兆円)に達し、新興国株式市場全体に占める割合は過去4年余りで最も大きい45%になっている。

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