(ブルームバーグ): 1月に中国南部・広州のレストランで食事した3家族10人が新型コロナウイルスに感染した。3家族は同席していたわけではなく、別々の隣り合うテーブルに座っていたが、店内は換気が悪く、エアコンの風に乗ってウイルスが広がったことは明らかだった。

  だが、その場にいたウエーターや73人の他の客は感染しなかった。換気の悪い屋内空間で新型コロナがどのように拡散するのか、その拡散防止に追加措置が必要なのか、そのような空気感染がどれほど頻繁に起きるのかについて、現在でも世界的に議論が続いている。

  世界保健機関(WHO)は9日、科学的な分析に基づく最新の報告を発表し、密集した空間や換気の悪い屋内で空気中の微粒子を介した感染が発生する可能性を否定できないとした。一方で、さらなる調査が必要だと主張。そのような感染例では、感染者のくしゃみやせき、つばなどの飛まつが表面に付着したなど別の説明があり得ることを理由に挙げた。

  WHOに対し、豪クイーンズランド工科大学の大気環境・保健国際研究所のリディア・モラウスカ所長ら科学者は、手洗いと社会的距離の維持だけでは感染抑制に十分ではないと反論する。

  モラウスカ氏らは今週、科学者239人の賛同を受けた公開書簡で、「人が密集し、不適切な換気設備しかない屋内や閉鎖された環境下で、この問題は特に緊急を要する」と指摘。病院や学校などの建物で換気を改善し、ウイルスを含んだ空気の循環を防ぐような予防措置を当局が勧告することが必要だと訴えた。

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