(ブルームバーグ): 先週の新興国市場では株式と通貨が続伸。中国株急騰を受けたリスク選好ムードの高まりが新型コロナウイルスの感染急増に対する懸念に勝った。新興国株の指数は約4カ月ぶりの高値を付ける場面もあったが、中国当局がバブルへの警戒感を示したことで10日は反落。米国が中央政治局委員1人を含む中国共産党幹部に制裁を科したことなどから、市場参加者は米中関係の緊張を引き続き意識した。

  10日終了週の主なニュースは以下の通り。

ハイライト:

中国の株式市場が確実に注目を集めている。6日のほぼ前例のない値上がりは、世界株を1カ月ぶりの高値に押し上げた10日は中国市場の大型株が大きく値下がり。政府系の2つの基金が株式の保有を減らすと発表。本土株は前日まで8連騰し、新たな株式バブルを巡る懸念が広がる中で、中国当局が株高を抑える動きに出た証券取引所への届け出によると、中国人民保険の第2位株主で年金を運用する全国社会保障基金理事会(社保基金会)が同社株の最大2%を売却する計画を示した。「定期的な売却活動」の一環と説明トランプ米大統領の側近の一部は香港ドルの米ドルとのペッグ制度に打撃を与えることを望んでいる。トランプ政権は中国の「香港国家安全維持法」制定を受けて、対中制裁で複数の選択肢を検討中だと、関係者が明らかにした米国は中国共産党の幹部ら4人に対し、新疆ウイグル自治区の人権侵害に関与したとして制裁を科した。一方、中国外務省はこの制裁への対抗措置を講じる方針を表明したトランプ大統領は中国や製造業、移民、処方薬価など、さまざまな問題に関する大統領令を出す準備を進めている。メドウズ大統領首席補佐官が明らかにした米政府はチベット地域への入域制限に「大きく関与した」と見なす中国当局者への査証(ビザ)規制を強化する新型コロナの感染拡大で打撃を受けた米中小企業を支援する「給与保証プログラム(PPP)」が、中国企業の米国部門でも利用されていたことが分かった。これらには複合企業の海航集団(HNAグループ)や国有防衛企業大手の関連会社が含まれる国際エネルギー機関(IEA)は世界の石油需要見通しを上方修正。一方で、新型コロナ感染の再拡大が回復を頓挫させるリスクも指摘したブラジルのボルソナロ大統領が新型コロナ検査で陽性となった。同国をのみ込む公衆衛生上の危機は大統領の感染という事態に発展したマレーシア中央銀行は政策金利の0.25ポイント引き下げを決めた。ロックダウン(都市封鎖)の解除を受け経済活動が再開したが、下振れリスクが続いていることから利下げで支援する

アジア:

中国の生産者物価下落率は6月に縮小。消費者インフレ率は若干上昇した中国本土での利用が禁止されているフェイスブック、グーグル、ツイッターは今、中国との対決姿勢を強めている香港ドル相場を巡る状況が一段と政治色を強めつつある中、同通貨の需要は高まっている。現在、中国本土勢の買いが香港ドル相場と香港株式相場の押し上げに寄与している2022年韓国大統領選の有力候補の1人と見られていた朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が遺体で発見された。自殺の可能性が高いとみられている。警察は朴市長が取り調べ対象となっていたことも明らかした

EMEA:

トルコはゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェース、クレディ・スイス・グループなど外銀6行を対象にトルコ株の空売りを最大3カ月間禁止した世界中の政府が過去最大級の景気刺激策の資金を賄うために負債を増やす中、ロシアは債務削減に向けた準備を進めている

中南米:

メキシコのロペスオブラドール大統領がホワイトハウスでトランプ大統領と会談。トランプ氏は両国の「関係をさらなる高みに導いていく」と表明。ロペスオブラドール氏は、イデオロギーの違いはあるものの、米国は尊厳を持ってメキシコを処遇していると指摘したボリビアのアニェス暫定大統領は自身が新型コロナ検査で陽性が判明したことを明らかにした。ベネズエラのマドゥロ政権のナンバー2であるカベジョ制憲議会議長も検査で陽性の結果が出た

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