(ブルームバーグ): 世界で最も割高な不動産市場で、最大の不動産開発会社を所有するのに悪い時があるとすれば、今がまさにその時かもしれない。

  香港最大の不動産グループ、サンフンカイ・プロパティーズ(新鴻基地産発展)のオーナーである郭(クオック)一族に聞いてみるといいだろう。同一族の資産は過去12カ月間に約80億ドル(約8400億円)縮小し、ブルームバーグの富豪一族ランキングに登場したアジアの一族の中で最大の減少となった。

  少なくとも1997年以降で最悪の政治・経済危機が香港を直撃したことで、 サンフンカイの株価純資産倍率(PBR)は0.5倍未満で推移している。これは過去最低に近い水準だ。

  株価低迷は郭一族にとって悪いニュースというだけではなく、香港全体の厳しい見通しも反映している。

  オフィスビルやホテル、ショッピングモールや集合住宅を保有するサンフンカイは、 恐らく他のどんな企業よりも香港の成功に大きく依存している。世界的にバリュエーション(株価評価)が上昇する状況の中で特に目立つサンフンカイ株の低迷は、中国が香港への支配を強める中、自由な金融ハブとしての香港の最盛期が過ぎたとの懸念が投資家の間で高まっていることを示している。

  ジョージタウン大学経営大学院のギレス・ヒラリー教授は、香港の不動産「資産の長期的価値は、香港のほか中国による香港の統合とも結びついている」と指摘。「将来の成長は過去ほど高くならないだろう」と述べた。

©2020 Bloomberg L.P.