(ブルームバーグ): 20兆ドル(約2110兆円)規模の米国債市場の静けさが不安を誘っている。

  5年債利回りは4日、過去最低を更新。その数日前には米国債市場のボラティリティーを示すMOVE指数が過去最低を付けた。債券トレーダーと投資家は、利回りとボラティリティー低下のスピードに注目し、波乱の兆候に注意を払っている。

  資産家で米ダブルライン・キャピタルの最高経営責任者(CEO)を務めるジェフリー・ガンドラック氏も3日のツイートで、ボラティリティーの低下ペースに言及。3月の10年ぶり高水準からの急低下に「何層もの意味合い」が見られるとコメントした。8月は例年、取引の薄さなどの季節的要因からボラティリティーが高まりがちだが、特にインフレ連動債の利回り低下は混乱の引き金となり得る。

  メドレー・グローバル・アドバイザーズの世界マクロ戦略責任者、ベン・イーモンズ氏は「過去の例では、実質利回りが最低を更新するとMOVE指数が上昇する」と指摘。市場が米景気減速の見通しを調整するのに伴い、インフレ調整後利回りはさらに急激に低下する可能性があるとの見方を示した。10年物の実質利回りは既に、過去最低のマイナス1.06%となっている。

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