(ブルームバーグ): 総務省が7日発表した家計調査によると、6月の消費支出(2人以上の世帯)は物価変動を除いた実質ベースで前年同月比では1.2%減少した。減少幅は市場予想を下回り、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の水準近くまで回復。緊急事態宣言の解除で経済活動が徐々に再開へ向かう中、一律10万円の特別定額給付金も消費を後押ししたもよう。

  在宅勤務や巣ごもりの影響から、旅行関連や鉄道、ガソリンなどへの支出が減少が続く一方、エアコンなどの家庭用耐久財のほか、テレビやパソコンなど教養娯楽用耐久財の消費が伸びた。

エコノミストの見方

大和総研の山口茜エコノミスト:

特別定額給付金の影響で家電や腕時計、アクセサリーなど高額品のところが強く、キャッシュレス決済のポイント還元事業終了で駆け込み需要も働いた6月に比べて7月はリベンジ消費の勢いは落ちるだろう。キャッシュレス・ポイント還元事業の駆け込み需要の剥落や感染再拡大への懸念が影響するほか、サービスは鈍い動きが続く給付金やポイント還元などの政策効果が剥落し、雇用所得環境の悪化が顕在化する一方、家計貯蓄は自粛による消費抑制と給付金で積み上がっており、短期的にものすごく腰折れするのは避けられる改善傾向は続いているが、コロナショック前に戻るわけではなく、腰折れするわけでもない

第一生命経済研究所の小池理人副主任エコノミスト:

緊急事態宣言の解除で今までできなかった消費ができるようになり、それに加え特別定額給付金で所得が増加した。特に家電などにお金が回っていることで、消費が反発していると考えられるどこまで続くかは感染症次第のところがあるが、なかなか右肩上がりということは考えにくい。政府が何かしなくても消費者が感染を恐れることによって、財はまだしもサービスのとのころはなかなか増えにくい状況が続くだろう今後感染がさらに拡大し、緊急事態宣言再発令の動きが全国的に広がるようになった場合、個人消費が二番底に向かうリスクは意識しておく必要がある

詳細(総務省の説明)

10万円の給付金で消費が支えられたところが見られる、とくにテレビやパソコンのなどはそれによって伸びたと思われる在宅勤務などによる巣ごもり需要や、外出自粛による影響などがうかがえる

背景

6月の完全失業率は2.8%と7カ月ぶりに改善する一方、有効求人倍率は1.11倍と6カ月連続で低下し、15年14年10月以来の低水準となった6月の小売業販売額は前年同月比1.2%減と、減少率は2カ月連続で前の月を下回った。基調判断は前月の「下げ止まりがみられる」から「持ち直している」に変更財務省は7月の経済情勢報告で、全国11地域の総括判断を全て上方修正。個人消費や生産で改善が見られた一方、雇用情勢は弱い動きと評価

(詳細とチャート、エコノミストコメントを追加して更新しました)

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