(ブルームバーグ): 東京都の小池百合子知事は6日、新型コロナウイルスの感染者が増加する中、今年はコロナに打ち勝つことが最優先の「特別な夏」であるとして、都外への旅行や帰省を控えるよう都民に呼び掛けた。夜間の会食についても自粛するよう求めた。

  小池知事は記者会見で、現在の感染状況について、引き続き「感染拡大特別警報」に当たる非常に厳しい状況であり、最大限の警戒が必要だとの認識を示した。酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対しては、8月中は夜10時までの営業時間短縮を徹底するよう改めて要請した。この先、状況が悪化した場合には、独自の緊急事態宣言の発令を「考えざるを得ない」とも語った。

  政府がお盆に合わせた帰省について一律自粛を求めていないことについては、観光支援事業「Go To トラベル」の対象から東京都が除外されていることを挙げ、「地域によって事情が違う」との見方を示した。

  東京都は6日、新たに360人の新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者数が300人を超えるのは2日ぶり。感染者が最も多いのが20代で134人、30代が95人と続いた。中高年の感染者も増加しており、60代が23人、70代が11人、80代も5人いた。重症者数は前日と同数の21人だった。

  新規感染者の発表に先立ち、都は専門家が新型コロナウイルスの感染状況や医療体制を分析・評価するモニタリング会議を開き、感染状況の警戒レベルについて、4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」の判断を維持するとともに、医療体制については、4段階のうち2番目に深刻な「体制強化が必要」との判断を据え置いた。

  小池知事は同会議で、「年代を問わず夜間の繁華街への外出を控えていただく」と呼び掛けた。職場での感染を防止するため、「会社ごとの創意工夫をしてほしい」と求めた。判明している感染経路で最も多いのが、同居している人からであることを踏まえ、重症化リスクの高い高齢者と暮らす人に対しては、長時間の会話を避けるなどの対応が必要との考えを示した。

  帝京大付属病院の坂本哲也院長は、感染が都内全域で幅広い世代に広がっていることに加え、感染経路不明者も前週より急増していると指摘。重症者の増加にも引き続き警戒が必要で、この先重症者が増えた場合には、医療体制の警戒レベルも、最も深刻な「体制が逼迫(ひっぱく)している」状態になる可能性があると懸念を示した。

  都内の新規感染者数は7月30日に367人、31日に463人、8月1日に472人と3日連続で過去最多を更新。2日は292人、3日は258人、4日に309人と再び300人超となった。5日は263人だった。

お盆帰省への対応

  お盆の時期の帰省については5日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、消毒やマスク着用など感染防止策を徹底し、高齢者の感染につながらないよう国民に呼び掛けることを政府に求める提言をまとめた。分科会の尾身茂会長は同日の記者会見で、感染防止のための対応が難しい場合には、オンライン帰省を含めて慎重に判断し、帰省をできれば控えるべきだとの認識を示した。

  分科会の提言では、帰省した場合でも、密閉、密集、密接の「3密」を極力避け、特に大人数の会食など、感染リスクの高い行動を控えるよう求めている。

  安倍晋三首相は6日、広島市で行った記者会見で、お盆の帰省に関しては「3密」の回避や大声で話さないなど「基本的な感染防止策を徹底するようにお願いしたい」と訴え、特に大人数の会食を控えるなど高齢者への感染につながらないよう注意を促した。帰省自粛は呼び掛けなかった。

  西村康稔経済再生担当相も6日午後の記者会見で、政府として帰省自粛を一律に求めない意向を示し、「とにかく高齢者との感染リスクが高まる機会減らしてほしい」と強調した。政府と各自治体の呼び掛けに温度差があることについては、「国民から見ると判断が付きにくい」としつつ、「それぞれの都道府県知事の判断を尊重したい」と述べた。

  都のモニタリング会議では、坂本氏が、帰省で人と会う機会を増やすことは、「必ず感染のリスクがあるとの自覚」を持って行動するよう求めた。

大阪府で過去最多の225人感染確認

  6日も大阪府で過去最多の225人の新規感染者が確認されるなど全国的な感染拡大は続いている。吉村洋文知事は「ここから次のステージ、あるいは300件、400件に行かないように、そのために府民の皆さんのお一人お一人のご協力をお願いしたい」と記者団に語った。

  政府は7日午前11時から分科会を開き、現在の状況について専門家から意見を聞く。

(西村再生相の会見や大阪府の感染状況などを追加して更新しました)

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