(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、金融の一角で予想外のブームが起きている。サーベイランス(監視)への積極投資だ。

  コンプライアンス(法令順守)・リスク・金融犯罪分析ソフトウエアを手掛けるナイス・アクティマイズによれば、トレーダーが在宅勤務を続ける中で、銀行はスタッフを監視し、違反や不正を根絶する取り組みを強化している。

  同社のエグゼクティブバイスプレジデント、クリス・ウーテン氏は、雇用主がスタッフの挙動の異変を察知する助けになるマシンラーニング(機械学習)など先進技術への関心が高まっていると指摘した。

  ウーテン氏は「リモートワークへの移行に伴い、『監視すべきタイプのやりとり』と『懸念を引き起こしかねないタイプの挙動』の両方が増えている。従来のオフィス電話とトレーディングタレットから、個人の携帯電話、そしてマイクロソフトチームズのような統合コミュニケーションプラットフォームにまで通信手段が広がった」と電子メールで解説した。

  ナイス・アクティマイズが調査した140社のうち、回答を寄せた金融機関の76%がモニタリングとサーベイランスが今後3年で増えると予想し、全社員がそのような監視の対象になると約20%が回答した。ウーテン氏は「金融機関が現時点で行っているか、将来予定している投資をこれは明らかに反映している」と分析した。

  米証券取引委員会(SEC)の検査部門によると、パンデミックの影響でブローカーディーラーと投資アドバイザーに新たなコンプライアンスリスクが生じている。SECは12日に公表したリスクアラートで、分散した場所からリモート勤務し、市場のボラティリティー増大に対処する状況では、監視の限界や自社システム外でのやりとり、不正リスクの高まりに対応する手順の調整が必要かもしれないと警告した。

©2020 Bloomberg L.P.